グインサーガ 100 豹頭王の試練

 グインサーガ 100 豹頭王の試練
 100巻。

 高々500円程度を出した一読者だが、100巻にもなればそれなりな投資だ。感想くらい書く権利はあるだろう。

 当初のあの文章の影はどこにいったのか。描写量は増えたが、取り留めなく続き、妙に饒舌な人物ばかり。この作風?の変化は、戸惑ってしまう。週刊誌の漫画家が次第に上手になったり、画風が変わったりするのと一緒だと思えばよいのかもしれない。
 しかし、エッセイでもないのだから、あまり作風が変わるのはよいとは思えない。グインサーガの変わりようは、下手なたとえで言えば、豚骨ラーメンを食べていたらいつの間にか醤油ラーメンに変わっていたような、それくらいの違いがある。それを「2種類の味を楽しめてお得だ」と思える様な寛容さを読者に強いている作品だ。

 よく言えば、思いつくままに語り部(=作家)が語っている。まさにサーガらしいと言えるのか。

 100巻と言うグインサーガの節目になんとなく作品への不満が出てきた。
 それでも100巻読み続けたのだ。グインを読み続けた、その時々の思いでも一緒になっている。

 グインの物語が気になっているのは間違いない。