映画「半落ち」

 少しうとうとした後、眠れなくて録画していた映画「半落ち」を見た。
 妻を殺した男が自首するまでの2日間、何をしていたのか−。

 2日間は衝撃的な事柄でもなんでもない。映画の中で徐々に明らかになって行き、予想通りの事結末が待っている。だから、この2日間を解き明かすのでなく、男に関わる人間模様を描いている映画であると言っていい。

 愛する人を殺すことがどういうことかだとか、いけないことだとか、そんな答えがあるわけでもない。それぞれが問題を抱えている。この事件を通じて何かしらその膿が出てきた。そんな映画だった。

 もっと関わった人物の背景を見たかった。どこかのレビューに書いてあったが確かに役者に助けられていると思うが、本当のところは役者の個性に助けられなければ、この映画と言う時間の枠で描くのが難しかっただろう。

 嘱託殺人の裁判がこんなに簡単に結審してしまったり、アルツハイマーである妻が殺してと言ったとして、それが正常な判断であるのかどうか専門家の検証もないし、今ひとつ入り込めなかった点があった。そんなものなのか?

 「映画としての面白さを確保するための仮定」を許容できれば、感動的な話だと思う。決して嫌いな映画でなく、心揺さぶられるところもある。もったいないなぁ。